なんど観ても最高






言わずもがな名作として知られた映画「5つの銅貨」

本当に何度観ても面白い。

60年近く前の作品なのに感動はもちろん、笑いすらも古臭くないってのが凄いことだ。

しかも、シナリオだけではなく、演出や撮影技法も秀逸。

他の映画では一般家庭を描いても、どこか作り物っぽかったり、生活の表現が過小か過大で違和感を感じさせるものが多いのですが

この映画は、リアリティのある庶民の生活と、庶民が成り上がった際の振る舞いを丁度良く感じさせるのです。

それも、アメリカという異文化が舞台であり、我々が知り得ないことにも関わらず、何故か不思議なことに"庶民的だ"と伝わってくるんですよね。


僕のお気に入りのシーンはカフェのシーンから、ファイブ・ペニーズの結成に至るシーンの転換。

このシーンではレッドの妻・ボビーが妊娠したことが発覚します。

つわりでカフェのトイレへ駆け込み、その後、席に戻ってきたボビーはチーズケーキに嫌悪感を示します。

この具合悪さを画面の回転させて表現するのですが、それを回転するレコードの画面にフェードするなんて、画期的なアイデアです。

それに、2人の娘・ドロシーの幼少期と少女時代の子役の似ている具合も完成度が高い。

僕の感想はこれ程までに手抜きがなく、工夫が凝らされた映画はそうそうないでしょう。

死ぬ前に一度観るべし。



Corman's World:コーマン帝国 を観て・・・






たったまらんちん・・・

僕の尊敬するロジャー・コーマン
御歳87歳

インデペンデント系映画、アメリカン・ニューシネマの先駆者として…

今、名を馳せる数多くの著名な映画人にチャンスを与える登竜門を築いた師として…

そんな彼の映画界における功績を楽しむだけがこの映画の意義ではない。

芸術ではなく商品としての映画作りこそ、自分が負うべき役割であると早々に見抜き、その信念を貫き通すストイックさに惚れるべきです。

彼の自伝書「私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか」を愛読書とする著名人は数多く

その中身に沿ったダイジェスト版みたいな映画。

彼の映画界を称え、その生き方を伝播する映画です。

ジャック・ニコルソンが涙を目頭に溜めて、友人を思うコメントを寄せる様
アカデミー賞名誉賞の授与式でロン・ハワードの尊敬の眼差し

・・・泣けます!

一度、ご覧になるといいでしょう。



トロン:レガシー超かっこいい




トロン:レガシー観てきましたよ。

ちょっと3Dすっげーよ。
もう…もう…赤緑メガネの時代は終わったんですね。

特に3Dの使い分けが凝ってましたね。
現実世界は2D、デジタル世界は3D

普通逆な様に思いますが、そのおかげなのか、概念の世界であるデジタルの世界がリアルに感じられるんですね。

新時代の映画表現に遭遇してしまいました。

話自体も面白かったです。
前作を知らない人でも、十分に楽しめるでしょう。

必見。

ただ、前作のファンとしては一点すごく引っかかる点が

それは、世界観

旧作は初期の3Dゲームそのままの世界観で、単色の空に、凹凸がなく現実味のない地形が広がっていて
そう任天堂の名作スターフォックスみたいなレベルの低い3Dの世界でした。

それが、本作では現実世界さながらの大地があり、空には稲光が轟き、霧で霞んでいるんです。

ライトサイクルにしても同じ

前作ではハードの限界ゆえに、曲線的ではなく直線的な、制限された物理演算に縛られている描写がとてもリアルでした。


それが本作では、ぐにぐに動くこと飛び跳ねること融通が利くこと

もしかしたら、20年間の時の流れでコンピュータ技術が向上したことが、概念の世界にも多様な可能性をもたらしたのでは?

と思うのは浅はか過ぎる。

だって、前作の直後に父フリンは行方不明になったわけだから、そのコンピューターは20年近くスリープ状態だったのです。

当然、隠し部屋にあったPCのCPUやグラボを誰かが最新のものに交換するわけもないし、ましてや20年もハードが持つわけもない。

だから、いくら成長する優秀なコンピューターとはいえ、当時のPCの程度を考えるとそうも変わるのか?

ひょっとして、僕のPCのほうが性能的に上だろうから、デジタル化して中に入り込むと、本作の世界より更に複雑な世界が待っているのでしょうか?

それにしても、運よく記憶媒体が壊れず生きていたからいいものの、壊れていたらあの世界やデジタル化された親父は存在しなかったんでしょうね。

そこに引っかかりました。

もう一回ぐらい見に行きたいと思える映画でした。



『ゾンビーノ』(米、原題:FIDO)




存在を知って一年、トレーラーを見てから半年

そして、一昨日の24日にレンタル開始の映画『ゾンビーノ』

ずっと楽しみにしてきました。

以前、『ショーン・オブ・ザ・デッド』を一年半まって、その期待を裏切られなかった経験がありますから、今回もその期待といったら口では言い表せません。

レンタル開始にあわせて早速借りて見てみました。

この作品中での世界観は、ロメロのリビングデッドシリーズの一連の人間VSゾンビの戦いを経て、ある程度のセーフティーシステムを構築した後の人間社会を描いたものです。

だから、『ランド・オブ・ザ・リビングデッド』とは同時間軸の違う世界だと言っていいでしょう。たとえると、北斗の拳と家畜人ヤプーの世界の違いですね。

ゾンビは特殊な首輪をつけられることにより人間を食べたいという欲求が制御され、人間の意のままに労働力として、家事や社会福祉に利用されています。

また、ゾンビは家庭にとって車や庭付きマイホームと同等のステータスとして重要視されていて、一家に一体という風潮があるようです。

発想は、ゾンビ騒動の発端が放射線としているところやゾンビを飼いならすところが『死霊のえじき』のバブそのもので、ロメロに対する尊敬の念が伝わります。

ただ、あまり面白くなかったのがネックでしたね。

笑いや恐怖はほとんどなく、始終感動へもっていこうとする意図が伝わってきます。

それにしても、数ある人類の敵と思しき存在が少年少女と友情を結ぶ映画(E.T.、ターミネーター等)があるのによりによってまたなんでゾンビで感動を生もうとしたのでしょうか?

倫理観的に言うと最悪でしたね。感動目的に見た人には期待を裏切る作品だと思います。

ちなみに、主人公の少年の母親役はあの『マトリックス』のトリニティー役のキャリー・アン・モスでしたが、全身ムチムチのエッチな熟女になっていてびっくりしました。

最後にひとつ評価できるのは、平和ボケしたアメリカ人を描いているにもかかわらず、ゾンビ戦争を経た人類は死に対して少し粗暴になっているのはリアルであり、皮肉のこもった描写は監督の悪意としか思えず気に入りました。

ゾンビシリーズをみて亜流作品をみるのならこの『ゾンビーノ』もみるべきだと僕は思います。

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